異端の足掻きは月のみぞ知る


袖で口元を隠しながら時音さんは鈴を受け取る。手に持った鈴は、時音さんがグーからパーにすれば消えていた。タネも仕掛けもない魔法なんだろうなぁ。


「お前も散々だったな。だが、安心していい。私がお前に関わっているとあちらも気づいたはずだ。もう寝ている間に、魂を異世界に飛ばされたりしないさ」


「……。そんなスペクタクルなことしてたんですか、僕は」


壮大すぎて物語が書けそうなのに、当の人が無自覚では書きようがない。


「どうにも、空想元素の魔術師――夢を渡り歩き、魂を操る輩がいてな、お前が小狐丸を持っていたせいか、目をつけたらしい。

担い手はともかく、それは形ある奇跡(神秘)だからな、脅威と見なし、対処したようだが、詰めが甘い。

小狐丸はどんな場所でも担い手について行くと知らなかったようだ」


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