異端の足掻きは月のみぞ知る
「先生ー、助けてくださーいっ」
虚しく叫んでみた。
いい加減、寒くて、つい魔法使いを呼んでしまう。
この声が届くかは知らない。ただやってみなきゃ分からない。
何せ彼女は、僕みたいな人間では推し量れない超越者なんだから。
期待半分で呼んで、辺りは静まり返るが、微かな物音が目立つ。
足音。だが、すぐに消えた。
気のせいかと思った最中。
「動かないでください」
背後から声。
振り向こうとしたが、できない。
首元に剣が添えられたから。
「……、僕っていつの間にか、ドッキリ演出にはめられてますか?」
だとすれば、かなりの大成功なので、リアクション期待しないでネタバレ札希望なんだが。