キミがいた夏~最後の約束~




ガチャン━━━…‥

ギィ━━━━━………‥‥



控え目な音を響かせて呆気ないほど簡単に扉は開いた


私は家の中にスルリと体を滑り込ます


とても静か…


お父さんは出かけてしまったのかも知れない…


最近は鍵をかけずに飛び出すことが多いから



「はぁ…」



そんなことを考えながら俯いてため息をついていると



ガチャ━━━━━!!


リビングの扉が突然開いた


私はハッとして顔をあげたけれど一足遅かった


気がつくと思いっきり突き飛ばされて


私は玄関の扉に勢いよく叩きつけられた



ガターンッッ━━━━━━━━━━━!!



「う━っっ━━…‥‥!」



頭を少しぶつけてクラリと目眩を起こす


お父さんはそんな私をの胸ぐらを掴んで引き寄せる



「お前は━━━━━!!!一日中連絡もしないで何をしてたんだ!!」



私はそれに抵抗しない



「お前はいつからそんな娘になったんだ!?お前はそんな立場の人間なのか!!」



お父さんがまたいつもの台詞を口にする


ああそしてあの言葉を言われるのね



『人殺し』と



お母さんにも何度も何度も言われてきた言葉だけれど


馴れることはなかった


私は目を閉じて受け入れる準備をする


そして微かに手が振り上げられたのを感じた





< 177 / 378 >

この作品をシェア

pagetop