キミがいた夏~最後の約束~




加奈先輩は少し言いにくそうに口ごもった後


「この間…なんか私、とんでもないことをしたみたいで…ごめんね」


そう言って私に頭を下げて謝った


『この間』それは橘先輩にキスをしたことで間違いないだろう


「え!?いえ…あの…大丈夫です…!!」


私は咄嗟に手を前で振ってそんな言葉を口にするけれど
それ以外、私に何が言えるのだろうか


そんな権利は私にはない


忘れていた記憶が再びよみがえり、何とも言えない気持ちになる


加奈先輩は顔を上げて私を見ると何だか悲しい顔をしてニッコリと笑った


「あなたが羨ましい…」


え?


そんな思いもしないことを言われて私は加奈先輩を見つめ返す


私が羨ましいって…



「私…まだ渚のことが好きなの」



ドキッ━━━…‥



心臓が突然捕まれたみたいに苦しい
加奈先輩の切ない顔が胸をつく



「私…渚と付き合ってた時期あるけど、それは私が告白して…まあ半ば強引に…付き合って貰ってたのよね…」


私は黙って聞くことしかできない


「あなたのことも最初はそうなんだって思ってた…
けど渚があなたに夢中なことがわかればわかるだけ辛い…」


なんて正直な人なんだろう


私を前にしても気持ちを隠すどころかストレートにぶつかってくる


加奈先輩の本気が伝わってきて、また胸が痛んだ





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