俺様天使とのキスまであと指輪一個分。
「イチかバチかだったけどね…木って嵐にも津波にも耐えるって前に授業で習ってたから」


どんぐりが日差しに反射してキラキラ光って見えた。


「でも…無理に成長を早めたりして…可哀想なことしたな」


かざしていたどんぐりを蒼はそっと胸に寄せた。



「…蒼のような考え方を…王が持っていたら」

「えっ?」

「あ、いや、なんでも…」


フレンはこほんと咳払いして、ごまかすように髪をかきあげた。

また何かを隠すフレンの態度に、蒼は怒りさえ込み上げた。

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