恋をした悪魔
「そこにいるのは誰?」
横たわるリリスのもとに現れたのは
この湖に宿る水の妖精でした。
「なぜ、こんな不浄なものがここに?汚らわしい!」
水の妖精は侵入者を追い出そうと
リリスに湖の水をかけ始めました。
水のかかったリリスの肩や腕は焼けたようにただれ
紫色のくすんだ煙をあげます。
このままでは、浄化され消えてしまうかもしれません。
絶体絶命かと思われた、そのとき。
水の妖精が突然、水をかける手を止めました。
「彼が来る!」
そして大急ぎで湖の中へ帰っていきました。
リリスは、もうろうとしながらも
たしかに人間の近づいてくる気配を感じ取りました。
悪魔のこんな無様な姿を人間にさらすわけにはいきません。
リリスは持てる力を振り絞って人間の姿になりました。
しかし、そこでとうとう意識を手放してしまいました。