接吻ーkissー
でも、どうして?

竜之さん、そんな素振りを見せなかったのに。

「この先一生、こんなすごいところに泊まる機会なんかねーだろうなと思ってさ。

こっそりと頼んだんだよ。

まだ空いている部屋はありますかって言って」

竜之さんはズンズンと中へと進んで行った。

「――うわーっ…」

窓の外に視線を向けると、そこは一面の夜景だった。

「いい部屋だな」

そう言った後、竜之さんはソファーに腰を下ろした。

さすが、『東京カントリーホテル』である。

一般のホテルとは少し…いや、かなり違うと思った。

この部屋に置かれている家具は、全部外国のものだろう。
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