接吻ーkissー
「一緒に行くなら、彼女も連れて行きたいんです。

彼女を1人にさせるのは、かわいそうと言うか寂しいと言うか…。

だから、せめて彼女が学校を卒業するまでは待って欲しいんです。

彼女も一緒に連れて行きたいんです」

「――竜之さん…」

自分の気持ちをぶつけるどころか、先に彼の気持ちをぶつけられてしまった。

横からハンカチが差し出された。

その主に視線を向けると、シンさんだった。

私は、自分が泣いていたことに初めて気づいた。

私がハンカチを受け取ったことを確認したシンさんは、
「菊地さんも菊地さんなりに悩んで、答えを出したんだ」
と、言った。
< 228 / 238 >

この作品をシェア

pagetop