接吻ーkissー
「何にもないよ?

どうしたの?」

私は答えた。

「そう?

さっきから大事そうにケータイを持ってるから、何かあったのかと思った」

由良に言われ、自分の手に視線を向けた。

「あっ…」

由良の言う通り、確かに手の中には携帯電話があった。

慌てて携帯電話をブレザーのポケットに入れた。

私ったら、一体何をやっているんだろう。

昨日から菊地さんの方から電話かメールがかかってくるんじゃないかと思って期待していた。

用もないのにかかってくる訳ないじゃない。
< 26 / 238 >

この作品をシェア

pagetop