接吻ーkissー
でも…もしかしたらって思って待っているのも、また事実である。

「璃音さ…」

声をかけてきた由良に、
「んっ?」

「好きな男の人でもできた?」

さすが親友だと、私は思った。

いや、今は感心しているところではない。

「違うよ!」

私は首を横に振って否定した。

確かに、菊地さんのことは考えていたけれど。

「そうだよね」

由良は誇らしげに、微笑んだ。

「璃音がわたしを捨てて、男の人のところになんか行く訳ないもんね」
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