接吻ーkissー
そっと、菊地さんが目を閉じた。

彼のまつ毛は長くて、フサフサとしていた。

だんだんと、菊地さんの顔が近づいてくる。

彼にあわせるように、私も目を閉じた。

やり方は正しいのかよくわからないけど、私も目を閉じなきゃいけないと思った。

私の唇に触れたのは、ぬくもりだった。

菊地さんの唇が重なったことを、私は知った。

それはそれは…溶けてしまいそうなくらいの、甘いキスだった。

本当に、溶けちゃいそう…。

そして、忘れたくないと思った。

菊地さんの告白も、初めて交わしたキス…そして、長くて甘い彼の口づけを忘れないように、記憶に刻んだ。
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