接吻ーkissー
唇が離れると、
「下着を気にするほど、そんなにがっついてねーから安心しろ」

菊地さんが言った。

んんっ?

何で下着の話題を出してきたんだ?

そう思っていたら、
「言われたくないんだったら、顔と雰囲気に自分の思っていることを出さないように我慢しろ」

菊地さんが言った。

…ですよね。

「それ以前に、俺が我慢することが先かも知れないけどな」

そう言った後、また唇が触れた。

今度は、舌を入れられる。

「――んっ…」

口の中をなでる舌に、躰が疼き始めているのがよくわかった。

躰が菊地さんを求めているのだと理解した。

菊地さんの大きな手が、私の背中に回ったことに気づいた。

その手が、ある一点で止まる。
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