接吻ーkissー
「――んっ、やっ…」

耳をさわるのは、唇の感触。

耳の輪郭をなぞるのは、舌だった。

時には、歯で軽く耳を噛まれてしまう。

3つのその感触に、私は感じてしまった。

「――耳、弱いんだな」

クスリと、菊地さんが耳元で笑った。

「――やんっ…」

さっきから出てるこの声は何なの?

悲鳴にしてはおかしいし、金切り声にしても何かが違う。

「白いな、陶磁器みたいだ…」

「――んっ…」

首筋をさわっているのは、舌だった。

「跡をつけるのがもったいない…」

「――あっ…」

また唇から声が出てきた。
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