今宵は天使と輪舞曲を。
しかし人生とは皮肉だ。本人がどんなにそう願っても、容姿もすべて不器量な自分は結局、愛人に成り下がっているのだから。
メレディスは恐る恐るアルバーを見ると、彼女はくすくすと笑っていた。
その笑顔はまるで太陽のようだ。彼女から邪気を感じ取ることができない。
メレディスは狼狽えた。
「彼が貴方のことを何て言っているのか気になる?」
「おい、ちょっと待ってくれ!」
含んだ言い方にメレディスは瞬きを繰り返す。おかしいのはラファエルが動揺しているみたいだったからだ。
その彼を見た彼女は面白可笑しそうに続けた。
「身も心も美しい素敵な女性だって、会うたびにいつもそればかり。惚気話もいい加減にしてほしいわ」
メレディスはまたもや目を瞬いた。
まさか結婚を前提に考えているだろう女性に他の女性を褒めちぎるなんてどうかしている。
メレディスが驚いていると、ラファエルはひとつ咳払いをした。
「これからぼくの屋敷に来て貰えるかな?」
「ええっと……?」
――どういうこと?
堂々と愛人でいてほしいと言ったのか。
戸惑いを隠せないメレディスに、ラファエルはさらに口を開いた。
「少し君に見せたいものがあるんだ」
「きっと驚くわよ」
ラファエルに続いて、アルバーはなぜか誇らしげに頷いて見せた。
「貴方たちはあの馬を使って。わたしは徒歩で向かうわ。叔母様にご挨拶してくるわね」
「あの――……」
ますます意味が分からない。
メレディスは困惑するばかりだ。