今宵は天使と輪舞曲を。
メレディスはふたりの様子から察するに、自分を心配していることが窺えた。自分は確実に摂食もしていたし何事もなく振る舞っていたつもりだった。いったいどの場面で知られてしまったのだろうか。
レディー・ブラフマンとキャロラインに手を引かれるがまま中庭へと通されると、ガーデンアーチに絡まった薔薇の蔦が、今にも咲きそうな蕾をつけているのが見えた。そこには白樺で作られた三人分の椅子と円卓があり、レディー・ブラフマンは今日のこの日をすでに予定していたのか、ティーセットもきちんと人数分用意されていた。
メレディスとキャロラインが椅子に座るのを合図に、レディー・ブラフマンは何も言わず、ただ静かにティーカップに紅茶を注ぎはじめる。
カップに注がれる紅茶の音や、鳥の囀りと春のそよ風に乗って揺らされる木々の葉が、優しいハーモニーを奏でている。
「ラファエルの様子がどうもおかしいの」
レディー・ブラフマンが紅茶をカップに注ぎ終え、椅子に腰を下ろすと、メレディスは重たい口を開いた。
メレディスは、本当は誰かに自分の気持ちを聞いてほしかったのだと、この時にようやく理解した。
「私に何かを隠しごとをしているのかもしれないわ」
テーブルに置いた握る手を見つめながら言葉を続けた。
「それは気のせいではなくて?」とレディー・ブラフマン。
「お母様は何か知っているの? だったら教えてよ。メレディス言うとおり、わたしも最近のお兄様の態度はおかしいと思うわ。どこか忙しないのよ、兄妹だから近くに居なくても分かるわ」