今宵は天使と輪舞曲を。

「貴女が謝る事じゃないわ、貴女を呼んだらデボネ家も付いてくるし。こうなることくらいお父様も承知の上よ……だけどもしかすると、エミリアやジョーン。ヘルミナがこの屋敷から出入りする姿を誰かに目撃されて知られた可能性もあるわよね。貴族ってどうしてああもスキャンダルが大好きなのかしら! 他人への陥れるための不躾な態度や言葉! わたしああいう人間が大嫌いなの!!」

「ええ、わたしもよ」
 メレディスは頷き、そして胸の奥に隠していた不安が込み上げてくるのを感じた。
「わたしが襲われた翌日、ラファエルとグランが猪狩りを含めて人攫いたちも探してくれたんだけど、痕跡も何も見つからなくて――ラファエルは彼らを捜すために探偵を雇っていると言っていたわ――また狙われるかもしれないわ。もしかすると、次は命が狙われるのかもしれない――」
「メレディス、そんな不安なことをラファエルだけで――でもないわね。お母様の口ぶりだとこの件を知らなかったのはわたしだけのようだから――」
 メレディスがふたたび謝ろうと口を開ければ、キャロラインは手を上げて制した。
「余計なお世話かもしれないけれど、もし兄さんが側に居ない時はわたしが一緒に居るようにするわ、少しは気が紛れるかもしれないし……ね、そうして。貴女が無事なのをわたしも安心したいから」
「ああ、キャロライン。ありがとう本当にわたし嬉しいわ」
 キャロラインの心のこもった申し出が嬉しくて、また視界が歪みそうになる。


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