今宵は天使と輪舞曲を。
メレディスは自分よりもずっと頭が良い。この作戦が到底上手くいくとは思えない。
ヘルミナが顔を曇らせると、彼の手はふたたびヘルミナの太腿に触れた。とたんに体は熱を持ち、歓喜に打ち震える。そうなれば、もう何も考えられない。
ヘルミナの肉体はまた彼とひとつになりたいと切望する。両足を開き、彼を導いた。
「ぼくは君とこうしていられる時間が何よりも好きだ」
奥に隠された蕾はしっとりと濡れている。指の腹で敏感な蕾を刺激され、ヘルミナはすすり泣き、腰を揺らして彼を求める。
自分も同じ気持ちだと話す代わりに彼の口づけを受け入れた。二人の舌先が戯れるように交わり合う。濡れた音が耳孔に響き、さらに熱が加速する。
彼が欲しくてさらに体を反らせば、彼の指が離れていく。どうやら彼は自分が承諾しない限りお預けにするつもりだ。もう体はすっかり彼を受け入れる準備はすでに整っている。それなのにひとつになれないなんてあまりにもひどい。
「……わかったわ」
ヘルミナはとうとう根負けした。
「よかった、愛してるよ」
彼は感謝と愛情をもってヘルミナの旋毛にキスを落とした。
「ええ、わたしもよ」
両腕を彼の背に巻きつけると、ふたたび深い抽挿がはじまる。今日は彼と過ごせる素晴らしい日だ。今はまだ彼だけを考えて過ごそう。メレディスを呼び出す方法はまた考えれば良い。ヘルミナは自分にそう言い聞かせた。
《焦り・完》