今宵は天使と輪舞曲を。
ルイスの手がふたたびメレディスの頬を叩いた。
やはり彼はメレディスが求めている男性ではない。女に平気で手を上げる夫なんていらない。
ラファエルなら、メレディスの意思を尊重してくれた。二年前に無くした当初のブローチや愛馬の愚痴を聞き、挙げ句の果てにはどこの手に渡っているかも知らないふたつを探し出し、プレゼントしてくれる心優しい男性がいるだろう。世の中の女性はルイスのような支配欲の強い男性を夫にしたがるかもしれない。だが少なくとも自分はそうではない。
――ああ、やはり自分が求める男性はラファエル・ブラフマンしかいないのだ。
そう実感すればするほど、強張っていた体から力が漲ってくるのが分かる。ここからどうにか逃げることができないものかと拘束されている両腕をねじる。そうすると腕に絡まったシーツがほんの少し解けたのを感じた。それとほぼ同時だった。ルイスはメレディスの腰から乱暴にドロワーズを引き下げた。
「少しは快楽を与えてやろうと思ったがもう良い。このままねじ込んでやる!」
メレディスはベッドから抜け出ようとしたものの、強い力で腰を掴まれ、両太腿を思いきり開かされた。二本の親指で内壁をこじ開けられる。ひんやりした外の空気が体内に入ってくる。引き裂かれそうな体の痛みに堪えきれず、メレディスが悲鳴を上げた。
「今さら怯えても遅い! 何もできない自分の愚かさを知ればいい!!」
すぐ先には赤黒く反り上がったルイスの自身が見える。
けれどもメレディスは黙ってルイスの言いなりになるほど従順な女性でもなかった。