今宵は天使と輪舞曲を。

 視界が悪い灼熱の炎と黒煙が舞う中、倒れてくる瓦礫もあったというのに、いったい自分はどうやって抜け出すことに成功したのだろうか。
 気がつけば外に辿り着いていていた。探偵が駆け寄るまさにその時、屋敷はまるでこの時を待っていたかのように崩れ落ちた。



《黒煙・完》
< 413 / 440 >

この作品をシェア

pagetop