今宵は天使と輪舞曲を。

「はい、お義母さま」
 メレディスは実母の次に大切な女性と巡り会えてとても嬉しくなった。

「メレディス、わたし。謝って許してもらえるものだとも思っていないけれど、ごめんなさい」
 ヘルミナは罪悪感でメレディスの顔をきちんと見られないようだ。俯いたまま謝罪する。暫く会わないうちに少しやつれた気がする。頬は少し痩けているし、痩せたのか以前着ていたドレスがよれている。ヘルミナはヘルミナなりに疲労していたようだ。
「わたし、貴女とラファエルが羨ましかったの。貴女は両親を失って身寄りもおらず、ひとりきりだったのに、いつだって真っ直ぐで、誰に対しても対等に接していた。だけどわたしは自分の置かれた境遇にただただ振り回されるばかりで何の努力もせず、自分を愛してくれる男性がいない自分が許せなくて、貴女を憎んでいたの。だからついルイスの口車に乗ってしまったわ。自分が愚かだったと思っているわ。本当にごめんなさい」
「貴女がしたことは許せることではないし、正直、貴女を完全に許すことはできないわ。だけど……法廷で証言してくれるのは素直に有り難いわ。それに、わたしが貴女の立場であったなら、もしかすると同じように生きていたかもしれないわね」
 悲しげに微笑するヘルミナはなんだか憑きものが取れたような清々しい表情をしていたように思った。
 そしてヘルミナは体勢を変え、次にメレディスの隣に立ってるレニアを見つめた。


< 433 / 440 >

この作品をシェア

pagetop