本と私と魔法使い
「そーいえばさー、ガラス割れた後ぐらいに、誰かいなかった?」


ひとりの女子が思い出したように言った。

「あぁ、ふわーっとしたコでしょ?…確か、秦野…千亜だっけ?…すぐ、走ってちゃったけど…」


…何で、千亜が?

職員室に用があるなら、反対側の教員棟。次の授業の化学室も教員棟だから、いるはずないのに。

何か、隠してる?

取り敢えず、先生を呼びにいく途中で予鈴がなった。
私は、丁度通りかかった岡田先生に任せて、化学室へ慌てて駆け込んだ。
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