本と私と魔法使い
「ち…ぁ」
誰かがそう言った、


千亜の細身の刀が躊躇なく女の首に振り落とされた。
「…ッ!!」

ごてりと女の首が床に転がった。鉄の生臭い―血の匂いが辺り一面に広がって目眩がした。


「聖炎(フレイム)」

和泉がそう唱えると、女の身体が轟々と燃えた。
優しそうな、オレンジの炎を私は見つめた。

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