魔王と王女の物語
コハクの身体はすらりとしていながらも固く引き締まっていて、男らしい。

ラスは今まで男の裸など見たことがなかった。

だからすべてが珍しくて、かつ何も知らない。
誰も身体の仕組みを教えてくれなかったのだ。


「なに目ぇ逸らしてんだよ。こっち向けって」


「やだっ。どうして脱いだの?コーの馬鹿、もうそっち見れないよ」


…きゅんきゅんっ。


何も知らないなりに照れて恥ずかしがるラスのしおらしさが魔王の交感神経を刺激して、がばっと覆い被さるとラスの腰を撫でた。


「ちゃんと見ろって。これが男女の違いってやつ。チビもちょっとずつ女のカラダになってきたなあ」


実際問題今でも十分魔王をコーフンさせる身体つきにはなっていたのだが、果実はもっともっと熟すはず。

完熟してとろとろになったら、頭からばくりと食らいついてやる。

それが魔王の最終目標。


――ぎゅっと瞳を閉じていたラスがようやく瞳を開いて、

ラスのちょっと垂れた瞳と、コハクのちょっと上がった切れ長の瞳がぶつかって、2人が同時に吹き出した。


「チビ、不細工面してんぞ」


「コーこそべたべた触んないで、こそばゆいから」


「“ぁ、駄目…っ”!”とか言ってくれたらむっちゃコーフンするんだけどな」


そう言いつつラスの頬や瞼や唇にキスをしまくってうるさがられながらもぎゅっと身体を密着させた。


「どうしてコーフンするの?ねえコー、私もお料理覚えてみようかな?私、今までみんなやってもらってきたから…何かに精を出したいの」


「俺もチビにいっぱい精を出したいなあ」


「え?どういう意味?」


「秘密ー」



――相変わらず言葉の意味の真相を教えるつもりは魔王にはなかったので、

ラスの細い太股を撫でて、金の髪にキスをして、少し見つめ合うと、ディープな“友情の証”を交わした。


キスの良さに目覚めつつあるラスの舌がちょっとだけ動いた時――


魔王、我を忘れそうなほどに大コーフン。


顔つきからしてSであることに間違いのないコハクの表情がふにゃっとなった。


「マジやべえ。天然すけこましめ」


無我夢中。
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