魔王と王女の物語
その頃ティアラはラスたちから離れて森の中を歩いていた。
…魔王とラスの間には絆がある。
そして、ラスとリロイの間にも絆がある。
純粋でいて無垢なラスが2人の間を渡り歩いているように見えるが、実際は何も考えていないというのが正確だろう。
リロイはゴールドストーン王国の騎士。
ラスの幼馴染で、このまま旅が順調に続けば…
魔王を倒す勇者となる。
――気が付いたら結構森の奥まで入り込んでしまっていて、陽光も届かず薄暗いことに気が付いて身体を反転しようとした時――
「よう」
「きゃ…っ」
目の前にはコハクが立っていて、ティアラが後ずさりをする。
「小僧の傍に居なくていいのか?あいつ、きっと今頃またチビに手を出してるぜ」
「お、お前はそれでいいの!?ラスから離れていても平気なの!?」
上ずった声で反論すると、魔王は腰に手をあてて鼻を鳴らした。
…綺麗な男だから、その仕草も様になる。
思わず見とれてしまいそうになって口を噤むと…
「俺はさあ、チビを試してんだよ。俺が離れて行ったらあいつ、どんな反応するかなーとか。俺が素っ気なくしたらあいつ、どんな顔すんのかなーとか想像したらぞくぞくするぜ」
「へ、ヘンタイ!」
「ああ、俺ヘンタイだもん」
容赦なく魔王が距離を詰めて来て、ティアラの腕を捩じった。
「欲しいものはちゃんと“欲しい”って言わないと手に入らないぜ。お前みたいなツンデレ、好きっていう男も多いけど俺は逆。ねじ伏せてやりたくなる」
耳に息を吹きかけられて、我慢の限界にきたティアラが傷ついた方の右頬を思いきりぶった。
「あ!チビが手当してくれたガーゼが!」
あの不器用なラスがせっかく貼ってくれたガーゼが吹っ飛んでしまって思わず大声を上げて、
慌ててガーゼを拾い上げてふうふう息を吹きかけている魔王が少し可愛らしくて、
厳しい戒律を守って育ったティアラは…魔王に対して頭を下げた。
「ごめんなさい…」
「次やったら最強のいやがらせをしてやるからな」
睨まれた時――
「コー、どこに居るのー?!」
最愛の女の声。
…魔王とラスの間には絆がある。
そして、ラスとリロイの間にも絆がある。
純粋でいて無垢なラスが2人の間を渡り歩いているように見えるが、実際は何も考えていないというのが正確だろう。
リロイはゴールドストーン王国の騎士。
ラスの幼馴染で、このまま旅が順調に続けば…
魔王を倒す勇者となる。
――気が付いたら結構森の奥まで入り込んでしまっていて、陽光も届かず薄暗いことに気が付いて身体を反転しようとした時――
「よう」
「きゃ…っ」
目の前にはコハクが立っていて、ティアラが後ずさりをする。
「小僧の傍に居なくていいのか?あいつ、きっと今頃またチビに手を出してるぜ」
「お、お前はそれでいいの!?ラスから離れていても平気なの!?」
上ずった声で反論すると、魔王は腰に手をあてて鼻を鳴らした。
…綺麗な男だから、その仕草も様になる。
思わず見とれてしまいそうになって口を噤むと…
「俺はさあ、チビを試してんだよ。俺が離れて行ったらあいつ、どんな反応するかなーとか。俺が素っ気なくしたらあいつ、どんな顔すんのかなーとか想像したらぞくぞくするぜ」
「へ、ヘンタイ!」
「ああ、俺ヘンタイだもん」
容赦なく魔王が距離を詰めて来て、ティアラの腕を捩じった。
「欲しいものはちゃんと“欲しい”って言わないと手に入らないぜ。お前みたいなツンデレ、好きっていう男も多いけど俺は逆。ねじ伏せてやりたくなる」
耳に息を吹きかけられて、我慢の限界にきたティアラが傷ついた方の右頬を思いきりぶった。
「あ!チビが手当してくれたガーゼが!」
あの不器用なラスがせっかく貼ってくれたガーゼが吹っ飛んでしまって思わず大声を上げて、
慌ててガーゼを拾い上げてふうふう息を吹きかけている魔王が少し可愛らしくて、
厳しい戒律を守って育ったティアラは…魔王に対して頭を下げた。
「ごめんなさい…」
「次やったら最強のいやがらせをしてやるからな」
睨まれた時――
「コー、どこに居るのー?!」
最愛の女の声。