魔王と王女の物語
コハクは生まれた時から一緒。リロイは気付いた時には傍に居た。
さっきリロイからまたコハクに怒られるようなことをされてしまって、ラスは自発的にリロイから距離を取って森の中をさ迷っていた。
「コー?どこー?」
「ここー」
茂みをかき分けながらこっちに手を振っているコハクの右頬がむき出しになっていて、
その後コハクに続くようにして現れたティアラがラスに駆け寄った。
「どこに行ってたの?」
「ちょっと散歩をしたくって…。ラス、馬車に乗りましょう」
「うん。コー、また貼ってあげよっか?」
「マジで?!てかチビ、今日は野営になりそうだぜ」
地図によればこの先には小さな町があるはずだが、どうもそこまでは行き着けそうにない。
――その報に生粋のお姫様育ちのティアラは眉を潜めたが…ラスは違った。
「野営?外で寝たり外でご飯食べたりできるの?わあ、楽しそう!」
「風呂も入れねんだぞ。いいのか?」
「いいよ。ティアラ、楽しみだね!」
「え、ええ…」
「これだからチビはイイよなあ。じゃ、今日は俺が抱っこして寝てやるよ」
「いつもでしょ?じゃ、ティアラはリロイにしてもらってね」
――その頃気持ちを込めたキスをしたのに、ラスにすげなくされたリロイは…誓いを立てた。
魔王を倒すまではラスに触れない。
もちろん、ティアラにも触れない。
2人の姫君を魔物と魔王の手から守って、最期には魔王を倒して、そしてラスにプロポーズする。
白騎士団の名を汚さないように本来は影から守って行かなければならないラスに軽々しくキスをしてしまった自分を責め続けていた。
「もう出発するぞ」
「ああ。お前…後で焼きを入れてやっからな」
「…」
千里眼でも持っているのか、自分がラスに何をしたかを見知っているような顔でそう言われたので、ラスたちが馬車に乗り込んだのを確認してから騎乗した。
「小僧、ちょっと顔つき違ったな。チビ、なんでか知ってるか?」
「え、し、知らない。ねえ、“焼き”ってなあに?」
「さあねー。チビは知らなくっていいの」
さっきリロイからまたコハクに怒られるようなことをされてしまって、ラスは自発的にリロイから距離を取って森の中をさ迷っていた。
「コー?どこー?」
「ここー」
茂みをかき分けながらこっちに手を振っているコハクの右頬がむき出しになっていて、
その後コハクに続くようにして現れたティアラがラスに駆け寄った。
「どこに行ってたの?」
「ちょっと散歩をしたくって…。ラス、馬車に乗りましょう」
「うん。コー、また貼ってあげよっか?」
「マジで?!てかチビ、今日は野営になりそうだぜ」
地図によればこの先には小さな町があるはずだが、どうもそこまでは行き着けそうにない。
――その報に生粋のお姫様育ちのティアラは眉を潜めたが…ラスは違った。
「野営?外で寝たり外でご飯食べたりできるの?わあ、楽しそう!」
「風呂も入れねんだぞ。いいのか?」
「いいよ。ティアラ、楽しみだね!」
「え、ええ…」
「これだからチビはイイよなあ。じゃ、今日は俺が抱っこして寝てやるよ」
「いつもでしょ?じゃ、ティアラはリロイにしてもらってね」
――その頃気持ちを込めたキスをしたのに、ラスにすげなくされたリロイは…誓いを立てた。
魔王を倒すまではラスに触れない。
もちろん、ティアラにも触れない。
2人の姫君を魔物と魔王の手から守って、最期には魔王を倒して、そしてラスにプロポーズする。
白騎士団の名を汚さないように本来は影から守って行かなければならないラスに軽々しくキスをしてしまった自分を責め続けていた。
「もう出発するぞ」
「ああ。お前…後で焼きを入れてやっからな」
「…」
千里眼でも持っているのか、自分がラスに何をしたかを見知っているような顔でそう言われたので、ラスたちが馬車に乗り込んだのを確認してから騎乗した。
「小僧、ちょっと顔つき違ったな。チビ、なんでか知ってるか?」
「え、し、知らない。ねえ、“焼き”ってなあに?」
「さあねー。チビは知らなくっていいの」