魔王と王女の物語
リロイがラスを抱きしめている光景は魔王をかなりイライラさせていたのだが、
その隙をついて牛の魔物の死体を踏みつけて住民が避難している洞窟へと入り、皆の歓声を一身に受けた。
「ありがとうございます!!」
「落ち着けよ。俺はすげえ魔法使いだからあれ位楽勝だっつーの」
「でも魔法を使える者はもう居ないと思っていたのに…」
聖石の欠片を手にした魔法使いらしき30代の男がそう呟いたが、コハクは腰に手をあてて偉そうな態度を取りながら聖石を要求した。
「魔物が湧き出てる穴を塞いできてやる。その礼にそれを俺によこせ。どうだ?」
「はい。この霧ももう必要ないですね」
男が聖石に祈りを捧げると濃霧が晴れて行って、魔物たちの無残な死体に住民が目を逸らす。
コハクはラスとリロイを引き裂きたくて仕方がなかったのだが、洞窟から出て町へ戻るように命令すると、
例の女だけを残して皆が去り、つっと顎に手をかけて上向かせると女なら誰もが魅了されるであろう笑みを浮かべて耳元で囁いた。
「お前はここに居ろ。どうなるかは…わかってるよな?」
「は、はい…喜んで…」
約束を取りつけて意気揚々と洞窟を出て、早速リロイの背中に思いきり蹴りを入れるとラスの影から黒いマントを2着取り出し、1着をラスに着せると抱っこした。
「コー、怪我の治療しないと…」
「そん前に魔物の湧き出る洞窟に行こうぜ。塞がないと厄介なことになるからな」
「僕もかなりの数倒したけど…お前にしか塞げないと思うからやってくれ」
「へっ、ちょっと魔物を殺しただけで偉そうにすんじゃねえよ。俺がとっておきの魔法を見せてやる」
心配そうなラスの頬や瞼にキスをしまくりながら丘を登り、先に行かせていたケルベロスが洞窟から湧き出ている魔物を次々と噛み殺している手前でラスを下ろしてお尻を撫でた。
「見たいなら見ててもいいけど、耳塞いどけよ。すげえ音がするからさ」
「?うん、わかった」
――魔王が、すうと、長い腕を伸ばして洞窟に向けて指先で魔法陣を描いて行く。
薄い口角の上がった唇は何かを唱え、ラスやリロイの耳に…
空から空気を切り裂く振動が聴こえた。
その隙をついて牛の魔物の死体を踏みつけて住民が避難している洞窟へと入り、皆の歓声を一身に受けた。
「ありがとうございます!!」
「落ち着けよ。俺はすげえ魔法使いだからあれ位楽勝だっつーの」
「でも魔法を使える者はもう居ないと思っていたのに…」
聖石の欠片を手にした魔法使いらしき30代の男がそう呟いたが、コハクは腰に手をあてて偉そうな態度を取りながら聖石を要求した。
「魔物が湧き出てる穴を塞いできてやる。その礼にそれを俺によこせ。どうだ?」
「はい。この霧ももう必要ないですね」
男が聖石に祈りを捧げると濃霧が晴れて行って、魔物たちの無残な死体に住民が目を逸らす。
コハクはラスとリロイを引き裂きたくて仕方がなかったのだが、洞窟から出て町へ戻るように命令すると、
例の女だけを残して皆が去り、つっと顎に手をかけて上向かせると女なら誰もが魅了されるであろう笑みを浮かべて耳元で囁いた。
「お前はここに居ろ。どうなるかは…わかってるよな?」
「は、はい…喜んで…」
約束を取りつけて意気揚々と洞窟を出て、早速リロイの背中に思いきり蹴りを入れるとラスの影から黒いマントを2着取り出し、1着をラスに着せると抱っこした。
「コー、怪我の治療しないと…」
「そん前に魔物の湧き出る洞窟に行こうぜ。塞がないと厄介なことになるからな」
「僕もかなりの数倒したけど…お前にしか塞げないと思うからやってくれ」
「へっ、ちょっと魔物を殺しただけで偉そうにすんじゃねえよ。俺がとっておきの魔法を見せてやる」
心配そうなラスの頬や瞼にキスをしまくりながら丘を登り、先に行かせていたケルベロスが洞窟から湧き出ている魔物を次々と噛み殺している手前でラスを下ろしてお尻を撫でた。
「見たいなら見ててもいいけど、耳塞いどけよ。すげえ音がするからさ」
「?うん、わかった」
――魔王が、すうと、長い腕を伸ばして洞窟に向けて指先で魔法陣を描いて行く。
薄い口角の上がった唇は何かを唱え、ラスやリロイの耳に…
空から空気を切り裂く振動が聴こえた。