魔王と王女の物語
「私の“勇者様”になりたいってことは…私と結婚したいの?」


ラスの冷えた身体を温めてやりたくて上半身脱いだ魔王は、ネグリジェを脱がすとぴったりと肌と肌を密着させてにやりと笑った。


「さあどうかな。結婚は好きな人とするもんなんだろ?チビはどうなんだ?俺のことが好きか?」


コハクの体温が移って来て、気持ちよさそうに瞳を閉じたラスに、


魔王、爆発寸前。


「わかんない…。好きって思うけど、リロイとかティアラも好きだし…」


「ふうん、でも俺は違うぜ。チビのことすっげー好き。どんくらい好きか教えてやろうか?」


「え、どうやって?……んっ」


――はじめて情感的なキスをした。


舌を絡め、腕を絡めてラスを抱きしめて離れる隙を与えず、何度も唇の音が鳴る度にラスの金の睫毛が揺れて、身体をさらに密着させた。


「コー…、コーっ」


「どお?」


「なんか…変…」


唇が離れて光る糸が2人を繋ぎ止めるかのように伸びて、魔王はちょっと真面目な顔になって耳にキスをした。


「俺の城に着いたら話したいことがある。聞いてくれるか?」


「うん…。だからさっきの、も1回して?」


「マジで?!やべえ、爆発する!」


「コー?なんか、脚にあたってるよ?」


「これ?仕方ねえだろ、男はこうなるもんなの」


――実際問題魔王をここまで簡単にコーフンさせることのできる女はラスだけ。


コーフンしきりの魔王は疲れも何のその、ラスの顔中にキスをしまくって、抱きしめて、お望みのキスをまたして、


ラスの甘い吐息を聞いて、自身で誓った誓約を破りそうになっていた。


「いやいやいや、駄目だぞ俺。踏ん張れ!」


「コー…?どしたの、もっとして?」


ぷちん。


頭の中で何かが弾けた音がして、ラスに覆い被さると馬乗りになり、合掌して一言。


「いただきまーす!」


がばっと抱き着いた時――


「影!!お前…っ、ラスから離れろ!」


白騎士リロイ登場。

ラスはぽけーっとしていて、馬乗りになった半裸のコハクと、全裸に近いラスを見て…


鼻血が出た。
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