魔王と王女の物語
舌を絡めながら九の字に折れる身体を抱き上げた魔王はティアラをベッドに放り投げた。


「きゃっ!」


「小僧に処女をやるのは癪に障るし、まあ俺が頂いておいてやろう。じゃあ頂きまー……」


覆い被さって恐怖に引きつったティアラの顔を見て悦に浸っていると…


魔王、その表情が一変。


「いてぇ!!」


「ふざけないで!…殺すわよ!」


――男の急所にティアラの膝蹴りがメガヒットして、魔王、情けなくうずくまる。


「て、てめぇ…使いもんにならなくなったらどうすんだよ!!」


「次はナイフでそぎ落としてやるわよ!早く出て行きなさい!」


逃げられて後ずさりしながら一喝されて、男尊女卑の気はないが、多少むかっとしたコハクはベッドの上で痛みに耐えながらティアラを睨んだ。


「チビにバンバン俺の子供を生んでもらわなきゃなんねえのに…お前、次はないからな」


艶のある低い声が口角の上がった薄い唇から洩れてぺろりと舌なめずりをして、ティアラは自身の唇をごしごしと擦った。


「汚らわしい!ラスを穢さないで!魔王の花嫁になんてさせないわ!」


「はあ?あいつは俺のもんなの。邪魔したらマジ人前に出れねえようなことしてやるからな」


ようやく痛みの治まったコハクは憤然と部屋を出て、舌打ちしながら蹴られた箇所を撫でた。


「痛かったー!どうしよ、ぐしゃぐしゃになったかも…。チビに見てもらおっかな…」


ヘンタイ的発言満載の色ぼけ魔王はしっかり施錠された部屋をノックして開けてもらうと、痛そうな顔をしているのに気付いて見上げてきた。


「コー?どうしたの、どこか痛いの?消毒液は?」


「すげえ痛いとこがあんだけど見てくれる?あと消毒液はなかったの。だからチビのぺろぺろでいいや」


さっさとベッドに寝ころがり、ベルトを外そうとしているコハクに限りなくラスの首が傾く。


「どこが痛いの?どうしたらいいの?ぺろぺろした方がいい?」


…魔王、絶賛大コーフン。


「マジで!?鼻血出る!」


だが

またもやリロイのノックに邪魔された。
< 145 / 392 >

この作品をシェア

pagetop