魔王と王女の物語
扉の外で行儀悪く手すりに跨って長い脚をぷらぷらさせていたコハクが、閉まる扉の奥を覗き込む。
「へえ、あれがゴールドストーン?案外ちっせえな」
「魔よけの石なんだよ。ゴールドストーン王国と、ブルーストーン王国と、レッドストーン王国と、イエローストーン王国と…あと、私が生まれる前になくなっちゃったけどホワイトストーン王国にも石があったの。でもどこにあるかわかんないんだって」
「ふうん」
興味なさそうにして階段を下りようとした時…
「あなたが…ラス王女ですか?」
――どこの国からの招待客なのか…
いかにもナルシスト風の茶髪の正装した男がラスを見ると、カイが注意をした。
「招待客の方かな?まだ城内には入れないはず…」
「いやこれは失礼。世界一の美姫と呼ばれるラス王女のお顔をどうしても拝顔させて頂きたく…」
「美姫だって」
「やはりそちらがラス王女なのですね?王女…」
階段を上ってこようとした男に、騒ぎを聞きつけた白騎士団と近衛兵が駆け寄ろうとした時…
急にラスの視界が真っ暗になったと思ったら、
コハクが広げた真っ黒なマントがラスを包み込んで、まるで魔法のように姿を消した。
「?!王女は…」
「王女?王女なんか居ねえよ。なあカイ」
「…。娘はまだ部屋に居る。申し訳ないが、部屋で夜までお待ち頂くか、街を見て回って時間を潰すといい」
首を傾げる男を兵たちが引きずり出してようやく人払いをした時、
にやにや笑いを浮かべたままコハクがマントを広げると…
きょとんとした顔のままのラスがまた現れて、背の高いコハクを見上げた。
「今…なにしたの?」
「別にー」
くつくつ笑いながら影に戻ると、カイがため息をつきながらラスの肩を抱いて階段を下りる。
「パーティーはああいう男が沢山集まるからね、適当にあしらうんだよ。いいね?」
「大丈夫だよ、リロイもコハクも居るから!」
…リロイはともかく、コハクは要注意だ。
16歳になってしまったラスを、虎視眈々と牙を研いで待ち受けている魔王。
まだラスの救済策は見つかっていない。
「へえ、あれがゴールドストーン?案外ちっせえな」
「魔よけの石なんだよ。ゴールドストーン王国と、ブルーストーン王国と、レッドストーン王国と、イエローストーン王国と…あと、私が生まれる前になくなっちゃったけどホワイトストーン王国にも石があったの。でもどこにあるかわかんないんだって」
「ふうん」
興味なさそうにして階段を下りようとした時…
「あなたが…ラス王女ですか?」
――どこの国からの招待客なのか…
いかにもナルシスト風の茶髪の正装した男がラスを見ると、カイが注意をした。
「招待客の方かな?まだ城内には入れないはず…」
「いやこれは失礼。世界一の美姫と呼ばれるラス王女のお顔をどうしても拝顔させて頂きたく…」
「美姫だって」
「やはりそちらがラス王女なのですね?王女…」
階段を上ってこようとした男に、騒ぎを聞きつけた白騎士団と近衛兵が駆け寄ろうとした時…
急にラスの視界が真っ暗になったと思ったら、
コハクが広げた真っ黒なマントがラスを包み込んで、まるで魔法のように姿を消した。
「?!王女は…」
「王女?王女なんか居ねえよ。なあカイ」
「…。娘はまだ部屋に居る。申し訳ないが、部屋で夜までお待ち頂くか、街を見て回って時間を潰すといい」
首を傾げる男を兵たちが引きずり出してようやく人払いをした時、
にやにや笑いを浮かべたままコハクがマントを広げると…
きょとんとした顔のままのラスがまた現れて、背の高いコハクを見上げた。
「今…なにしたの?」
「別にー」
くつくつ笑いながら影に戻ると、カイがため息をつきながらラスの肩を抱いて階段を下りる。
「パーティーはああいう男が沢山集まるからね、適当にあしらうんだよ。いいね?」
「大丈夫だよ、リロイもコハクも居るから!」
…リロイはともかく、コハクは要注意だ。
16歳になってしまったラスを、虎視眈々と牙を研いで待ち受けている魔王。
まだラスの救済策は見つかっていない。