魔王と王女の物語
それからのコハクは精神集中ができずに乱れっぱなしで、いらいらと足踏みをしながら雨で濡れた長い前髪をかきあげ、
とうとう叫んだ。
「あーっ!マジであいつ…ぶっ殺してやりてえ!」
『まあまあ、落ち着いてよ。もうあらかた森は直ったからおチビちゃんに会いに行ったら?』
「…いい。言い訳が思いつかねえ」
もちろん自分から女王にキスをしたわけではないし、女王が無理矢理キスをしてきたことにもラスは気付いているだろうが…
肩に座ったシルフィードがくすくす笑いながらまたコハクをからかった。
『余裕ないのね。こんなあなたははじめて見たかも』
「チビにだけは汚い俺は見せたくねえ。…嫌われたくないんだ。……くそっ、ふざけんなよ、なに言わせるんだよ!」
『ふうん、面白い!ねえ、明日私がとっておきのプレゼントを用意してあげるわ。だからあなたはおチビちゃんを森の中に誘ってね』
「マジで!?お前イイ女だな、チビに内緒で遊んでやってもいいぜ」
『いやよ、ヘンタイには興味ないの。じゃあまた作業に戻るわね』
――ラスに会いに行くのは正直怖い。
感情のこもらない瞳で…抑揚のこもらない声で“嫌い”など言われてしまうと…死んでしまいたくなるだろう。
「…ふん、俺もヒヨったもんだな」
――シルフィードが言った通り、もう森は9割方再生している。
時折バルコニーにはグラースやリロイの姿が見えたが、ラスは出て来ない。
「よし、最終チェックするぞ」
2日ぶりにその場からようやく動いて森の中を歩いて確かめて、ここに来た時よりも綺麗になっている森に満足したコハクは、シルフィードたちに礼を言った。
「マジで助かったよ。これでようやくチビの笑顔を取り戻せる」
『誤解は自分で解きなさいよ』
『コハクと居ると色々飽きないから離れられないのよね。今となっては私たちと対等に渡り合う唯一の人間なんだから、早く完全な身体に戻りなさいよ』
「ああ、城に帰って棺の中の身体と同化したらまた呼び出す」
――仕上げをして、ラスに会いに行く。
またあの笑顔を見るために。
また笑いかけてもらうために――
とうとう叫んだ。
「あーっ!マジであいつ…ぶっ殺してやりてえ!」
『まあまあ、落ち着いてよ。もうあらかた森は直ったからおチビちゃんに会いに行ったら?』
「…いい。言い訳が思いつかねえ」
もちろん自分から女王にキスをしたわけではないし、女王が無理矢理キスをしてきたことにもラスは気付いているだろうが…
肩に座ったシルフィードがくすくす笑いながらまたコハクをからかった。
『余裕ないのね。こんなあなたははじめて見たかも』
「チビにだけは汚い俺は見せたくねえ。…嫌われたくないんだ。……くそっ、ふざけんなよ、なに言わせるんだよ!」
『ふうん、面白い!ねえ、明日私がとっておきのプレゼントを用意してあげるわ。だからあなたはおチビちゃんを森の中に誘ってね』
「マジで!?お前イイ女だな、チビに内緒で遊んでやってもいいぜ」
『いやよ、ヘンタイには興味ないの。じゃあまた作業に戻るわね』
――ラスに会いに行くのは正直怖い。
感情のこもらない瞳で…抑揚のこもらない声で“嫌い”など言われてしまうと…死んでしまいたくなるだろう。
「…ふん、俺もヒヨったもんだな」
――シルフィードが言った通り、もう森は9割方再生している。
時折バルコニーにはグラースやリロイの姿が見えたが、ラスは出て来ない。
「よし、最終チェックするぞ」
2日ぶりにその場からようやく動いて森の中を歩いて確かめて、ここに来た時よりも綺麗になっている森に満足したコハクは、シルフィードたちに礼を言った。
「マジで助かったよ。これでようやくチビの笑顔を取り戻せる」
『誤解は自分で解きなさいよ』
『コハクと居ると色々飽きないから離れられないのよね。今となっては私たちと対等に渡り合う唯一の人間なんだから、早く完全な身体に戻りなさいよ』
「ああ、城に帰って棺の中の身体と同化したらまた呼び出す」
――仕上げをして、ラスに会いに行く。
またあの笑顔を見るために。
また笑いかけてもらうために――