魔王と王女の物語
「はぁ、コー…っ、はぁ、ちょ、ちょっと待って、息が…」
「こんなんで息切れするなよ。ほらチビ、もう一曲だ」
脇を抱えて自分の頭よりも上に抱き上げると嬉しそうな顔をしてコハクの黒く少し長い髪をくしゃくしゃにしながら声を上げた。笑った。
「もうっ、みんな見てるから下ろして!」
「やだね。お前は俺のもんなの。勘違いしてる奴が多いみたいだから知らしめとかないとさ」
「?」
招待客のほぼ全員が、バルコニーで踊るラスとコハクに見入っていて、
またとてつもなくコハクの容姿も目立っていて、
手足が長く背も高く、
性格の悪そうな笑みを口元に上らせてラスをからかっている様が微笑ましく…
各国の王子やラスに求婚しに来た男たちは色めき立ってカイに詰め寄る。
「カイ陛下!ラス王女にはすでにフィアンセが!?」
「ああ…いや…あれはフィアンセと言うか…」
――実際問題、“魔王”としてのコハクの姿を知る者はほとんどなく、
またコハク自身が国に直接攻めてきたりもしたことがないので、正体は誰にもばれてはいなかった。
「え?コーって私のフィアンセだったの?」
「フィアンセっていうか…旦那?」
「嘘をつくな!ラス王女、こちらへ!」
――リロイに手を引っ張られて思わずよろめいてしまい、抱きしめられる形になったラスとリロイに今度は女性陣からため息が漏れる。
またリロイも凛として瑞々しく、金の髪と金の瞳に白騎士団の騎士である証の白銀の鎧を着ていて、高潔さがにじみ出ている。
…逆にコハクは何もかもが真っ黒で、バルコニーから動こうとはしなかったが、ラスを顎で指すと、当たり前のように言ってのける。
「そいつは俺の花嫁だから気安く触るな。…ひよっこめ」
「え?私って…コーのお嫁さんだったの?」
グリーンの瞳を真ん丸にさせて腕の中で呟くラスに、
リロイもコハクも揃ってため息をついた。
「こんなんで息切れするなよ。ほらチビ、もう一曲だ」
脇を抱えて自分の頭よりも上に抱き上げると嬉しそうな顔をしてコハクの黒く少し長い髪をくしゃくしゃにしながら声を上げた。笑った。
「もうっ、みんな見てるから下ろして!」
「やだね。お前は俺のもんなの。勘違いしてる奴が多いみたいだから知らしめとかないとさ」
「?」
招待客のほぼ全員が、バルコニーで踊るラスとコハクに見入っていて、
またとてつもなくコハクの容姿も目立っていて、
手足が長く背も高く、
性格の悪そうな笑みを口元に上らせてラスをからかっている様が微笑ましく…
各国の王子やラスに求婚しに来た男たちは色めき立ってカイに詰め寄る。
「カイ陛下!ラス王女にはすでにフィアンセが!?」
「ああ…いや…あれはフィアンセと言うか…」
――実際問題、“魔王”としてのコハクの姿を知る者はほとんどなく、
またコハク自身が国に直接攻めてきたりもしたことがないので、正体は誰にもばれてはいなかった。
「え?コーって私のフィアンセだったの?」
「フィアンセっていうか…旦那?」
「嘘をつくな!ラス王女、こちらへ!」
――リロイに手を引っ張られて思わずよろめいてしまい、抱きしめられる形になったラスとリロイに今度は女性陣からため息が漏れる。
またリロイも凛として瑞々しく、金の髪と金の瞳に白騎士団の騎士である証の白銀の鎧を着ていて、高潔さがにじみ出ている。
…逆にコハクは何もかもが真っ黒で、バルコニーから動こうとはしなかったが、ラスを顎で指すと、当たり前のように言ってのける。
「そいつは俺の花嫁だから気安く触るな。…ひよっこめ」
「え?私って…コーのお嫁さんだったの?」
グリーンの瞳を真ん丸にさせて腕の中で呟くラスに、
リロイもコハクも揃ってため息をついた。