魔王と王女の物語
「プリンセス、リンゴをひとついかが?」
バルコニーに出たままコハクとリロイに挟まれて、部屋に戻ろうとしないラスにそう声をかけてきたのは…
「スノウさん!」
「うふふ、はじめまして。スノウと申します」
――抜けるような白い肌に黒く長い髪…
可愛らしいというよりは妖艶な雰囲気が際立ち、唇はリンゴの色よりも真っ赤だ。
「チビ、食うなよ」
「あら、これはただのリンゴですよ?」
ラスと同じほどの背のスノウがコハクを見上げながらウインクし、微笑む。
一瞬コハクが、その仕草に隠されたメッセージを読み取って眉を上げたが…
スノウの手からリンゴを取ろうとしたラスからリンゴを奪い、瑞々しい音を立てながら噛り付いた。
「あっ」
「コー、そのリンゴは私がスノウさんからもらったんだよ?」
「喉が渇いてたんだよ。……まあまあの味だな。サンキュ」
芯だけになったリンゴをバルコニーから外に向けて放り、
少し青ざめた顔でコハクを見上げているスノウの顔をラスが覗き込む。
「スノウさん?」
「え?いえ…。ラス王女…本当にお可愛らしいわ」
頬を撫でてきた仕草に何故かぞくっとして、リロイもスノウに何かを感じ取ったのか、身体を割り込ませてラスを隠した。
「リロイ、お話ができないよ」
「あなたの王子と7人の小人はどこへ?」
冷めた目でリロイが見下ろすと、スノウは口元を隠しながら笑い、部屋の中から熱視線をスノウに注いでいる王子らしき男性と7人の小人…
いや…小人というよりは…
「?小人さん…じゃないよね?」
「ええ、何故か小人と言われてますけど、私たちと同じ人間なんです」
すると頭上からくつくつと笑う声がして振り仰ぐと、コハクが手すりにもたれ掛りながら腕を組み赤い瞳でスノウを撫でた。
「お盛んだねえ。毎晩とっかえひっかえなんだろ?」
「あら…うふふ」
「?とっかえひっかえって…何を?」
「そりゃあ………が…………を………………んだよ」
コハクが教えてくれたのに、
ラスはリロイから両耳を塞がれて肝心な部分を聞き逃した。
バルコニーに出たままコハクとリロイに挟まれて、部屋に戻ろうとしないラスにそう声をかけてきたのは…
「スノウさん!」
「うふふ、はじめまして。スノウと申します」
――抜けるような白い肌に黒く長い髪…
可愛らしいというよりは妖艶な雰囲気が際立ち、唇はリンゴの色よりも真っ赤だ。
「チビ、食うなよ」
「あら、これはただのリンゴですよ?」
ラスと同じほどの背のスノウがコハクを見上げながらウインクし、微笑む。
一瞬コハクが、その仕草に隠されたメッセージを読み取って眉を上げたが…
スノウの手からリンゴを取ろうとしたラスからリンゴを奪い、瑞々しい音を立てながら噛り付いた。
「あっ」
「コー、そのリンゴは私がスノウさんからもらったんだよ?」
「喉が渇いてたんだよ。……まあまあの味だな。サンキュ」
芯だけになったリンゴをバルコニーから外に向けて放り、
少し青ざめた顔でコハクを見上げているスノウの顔をラスが覗き込む。
「スノウさん?」
「え?いえ…。ラス王女…本当にお可愛らしいわ」
頬を撫でてきた仕草に何故かぞくっとして、リロイもスノウに何かを感じ取ったのか、身体を割り込ませてラスを隠した。
「リロイ、お話ができないよ」
「あなたの王子と7人の小人はどこへ?」
冷めた目でリロイが見下ろすと、スノウは口元を隠しながら笑い、部屋の中から熱視線をスノウに注いでいる王子らしき男性と7人の小人…
いや…小人というよりは…
「?小人さん…じゃないよね?」
「ええ、何故か小人と言われてますけど、私たちと同じ人間なんです」
すると頭上からくつくつと笑う声がして振り仰ぐと、コハクが手すりにもたれ掛りながら腕を組み赤い瞳でスノウを撫でた。
「お盛んだねえ。毎晩とっかえひっかえなんだろ?」
「あら…うふふ」
「?とっかえひっかえって…何を?」
「そりゃあ………が…………を………………んだよ」
コハクが教えてくれたのに、
ラスはリロイから両耳を塞がれて肝心な部分を聞き逃した。