魔王と王女の物語
とにかく知らない男たちから声をかけられ続け、
何かわけのわからない言葉をたくさん囁かれたが…
ラスは終始ぽやんとした顔でそれを聞いていて、カイを苦笑させた。
「ラス王女、ぜひ我が国に遊びに来てください。国をあげて歓迎いたします」
「うーん…」
「我が国で一番のダイヤをあなたに贈ります。ですから私の花嫁に…」
「花嫁?」
噛み合わない会話が終始続き、
しかもカイが用意してくれたドレスは少し窮屈で息がしにくくてつらそうにため息をついた時…
「皆さん、今日は私のプリンセスの16歳の誕生日パーティーにお集まり頂いてありがとうございました」
カイの挨拶が始まり、それで王国をあげて行われた盛大なパーティーが幕を閉じることを招待客たちが知り、ラスとカイ、ソフィーに注目した。
――父が朗々たる声で話す様子をうっとりとした瞳で見上げているラスを、
この王女目当てで集まった各国の王子や貴族たちがうっとりした瞳で見つめ、
それをラスの脇に立って一部始終ずっと見ていたリロイが密かにため息を漏らす。
…この王女は色々知らなさすぎる。
それもこれも、
カイとソフィーがこの城から一歩たりともラスを外に出さなかったからだ。
“魔王憑きの王女”…
いつか魔王のコハクを影から切り離す方法が見つかるかもしれないと思いながらも見つからない日々が過ぎて行き、
そして今日に至ってしまった――
それは痛恨の極みだったが、
肝心のラスはコハクが“悪い人”だと知っていても、めげている様子はない。
逆に懐きすぎて心配なくらいだが、
今も影の多いバルコニーに出たままワインを飲み、にやにやいやらしい笑みを浮かべながらラスを見つめている魔王の様子が癪に障ったが、
カイの挨拶が終わると、また男たちから囲まれかねないので、リロイは恭しくラスの手を取ってパーティー会場から外に出した。
「知らない人が沢山居て面白かったね。でももっとスノウさんとお話したかったな…」
生き返ったスノウ姫。
王子の心を射止めたスノウ姫。
ラスの最も憧れているスノウはその頃…
ベッドの上で躍動していた。
何かわけのわからない言葉をたくさん囁かれたが…
ラスは終始ぽやんとした顔でそれを聞いていて、カイを苦笑させた。
「ラス王女、ぜひ我が国に遊びに来てください。国をあげて歓迎いたします」
「うーん…」
「我が国で一番のダイヤをあなたに贈ります。ですから私の花嫁に…」
「花嫁?」
噛み合わない会話が終始続き、
しかもカイが用意してくれたドレスは少し窮屈で息がしにくくてつらそうにため息をついた時…
「皆さん、今日は私のプリンセスの16歳の誕生日パーティーにお集まり頂いてありがとうございました」
カイの挨拶が始まり、それで王国をあげて行われた盛大なパーティーが幕を閉じることを招待客たちが知り、ラスとカイ、ソフィーに注目した。
――父が朗々たる声で話す様子をうっとりとした瞳で見上げているラスを、
この王女目当てで集まった各国の王子や貴族たちがうっとりした瞳で見つめ、
それをラスの脇に立って一部始終ずっと見ていたリロイが密かにため息を漏らす。
…この王女は色々知らなさすぎる。
それもこれも、
カイとソフィーがこの城から一歩たりともラスを外に出さなかったからだ。
“魔王憑きの王女”…
いつか魔王のコハクを影から切り離す方法が見つかるかもしれないと思いながらも見つからない日々が過ぎて行き、
そして今日に至ってしまった――
それは痛恨の極みだったが、
肝心のラスはコハクが“悪い人”だと知っていても、めげている様子はない。
逆に懐きすぎて心配なくらいだが、
今も影の多いバルコニーに出たままワインを飲み、にやにやいやらしい笑みを浮かべながらラスを見つめている魔王の様子が癪に障ったが、
カイの挨拶が終わると、また男たちから囲まれかねないので、リロイは恭しくラスの手を取ってパーティー会場から外に出した。
「知らない人が沢山居て面白かったね。でももっとスノウさんとお話したかったな…」
生き返ったスノウ姫。
王子の心を射止めたスノウ姫。
ラスの最も憧れているスノウはその頃…
ベッドの上で躍動していた。