魔王と王女の物語
食べ終わった後コハクに抱っこされてまたベッドに寝かされてしまったラスは抗議の声を上げた。


「コーの身体はっ?」


「だーめー!そんな顔色じゃ駄目!今日は1日寝てろって。俺の身体は明日でいいからさ」


「でも…コーの身体に会いたいんだもん。駄目なの?」


うるうるした瞳で見上げられたがここは心を鬼にしてベッドの端に腰かけるとまた首を振った。


「もう旅は終わったんだしいつでもいいって。…な、なあ、俺も隣に入ってい?」


「うん、いいよ。コー、寒いからあっためて」


「へ!?じゃ、じゃあさあ、服脱いだ方が…いやいやいやいや、我慢だ俺!ゴールはすぐそこじゃねえか!」


――また己と戦い始めたコハクをベッドに引きずり込むと脚を絡めて温めてくれてぎゅっと抱き着くと、時々見せる真剣な瞳をしていた。


「…痛かったろ?」


「うん、でも今は痛くないよ。コーが治してくれるって信じてたから。ね、間違ってなかったでしょ?」


「間違いまくりだっつーの!いきなり飛び出てきやがって…。チビは無鉄砲なんだよな。俺ははらはらさせられっぱなしなんだよ」


「ごめんね、でももうしない…と思うよ」


ぺろっと舌を出して可愛さ満点のラスに思わず頬が緩んだコハクはラスの顔をぎゅっと胸に埋めさせると可愛いお尻を撫でた。


「まあいいよ、俺がストッパーになってやっから。………あーやべ、むらむらしてきた!」


「むらむら?」


苦しそうな息を上げて見上げてきたラスの頬を両手で包み込むと、額をこつんとぶつけて瞳を閉じた。



「なあチビ…俺の嫁さんになってくれるだろ?明日身体を取り戻して…グリーンリバーに戻って…式挙げて…そんで…ふふふふ」


「コー怖い。うん、コーのお嫁さんになるよ。どうして確認するの?コーは私の…勇者様……」



眠たくなってきたのか、エメラルドのような瞳がとろんとしてきたので妄想を一時中断して頬に小さなキスをした。


「おやすみチビ。ずっと傍に居てやるから」


「うん……絶対、だよ…」


――可愛くて手放せない王女。

ようやく、願いが叶う――

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