魔王と王女の物語
“最後の晩餐”
コハクがそう称した夕食会が執り行われ、
笑顔満面のラスと、複雑そうな表情のカイとソフィー、
そしてラスの傍らに立つリロイの肩を馴れ馴れしく抱いているコハクという小規模な夕食会。
「ラス、レッドストーン王国を知っているよね?お父様の仲間だったフィリアが治めている国だよ」
「うん。小さな頃1度お会いしただけだけど、またお会いしたいな」
…ソフィーの顔が限りなく曇った。
――魔王を倒す旅に共に同行し、打ち勝った聖女フィリア。
魔法を使える者がコハクしか居なかった中、神からの加護を受け、白魔法を駆使してカイを助けた聖女。
「フィリアを訪ねてほしい。そのリロイに託した私の剣に加護を授けてもらうためにね」
「え、そうなの?隣国だし、ちょっと寄り道できるんだね。わあ、どんな街かなあ?」
「カイ…」
母が不安そうな声を上げて、不安そうな表情でカイを見つめた。
カイはそんなソフィーに微笑みかけて、何でもないというように首を振る。
そしてコハクはかつての出来事を思い返しながら、にやにや笑っていた。
「ああ、あの胸のでかい女か。カイの傍にぴったりくっついて離れなかった女のことだろ?俺はお前とフィリアがくっつくもんだと思ってたぜ」
「魔王!!」
ソフィーの腕からフォークが音を立てて床に落ち、激昂したカイがコハクに向かってナイフを投げた。
「お父様!?」
「おっと」
人差し指と中指の間で左目に刺さりそうだったナイフを止めると、リロイが胸倉を掴む。
「陛下はソフィー王妃一筋でいらっしゃる!今も昔もだ!」
「そうかあ?俺から言わせれば尋常ならざる仲に見えたけどな。ま、チビは間違いなくカイとソフィーの子だけどさ」
「え?コー、だから私はコウノトリからの…」
一人空気を読めていないラスが顔を覆って身体を震わせるソフィーに駆け寄り、隣に座って母を抱きしめる。
「お母様、どうしたの…?なんで泣いてるの?」
「…いいえ、何でもないわ…」
聖女フィリア。
今もカイを愛しているフィリア。
純白の、フィリア…
コハクがそう称した夕食会が執り行われ、
笑顔満面のラスと、複雑そうな表情のカイとソフィー、
そしてラスの傍らに立つリロイの肩を馴れ馴れしく抱いているコハクという小規模な夕食会。
「ラス、レッドストーン王国を知っているよね?お父様の仲間だったフィリアが治めている国だよ」
「うん。小さな頃1度お会いしただけだけど、またお会いしたいな」
…ソフィーの顔が限りなく曇った。
――魔王を倒す旅に共に同行し、打ち勝った聖女フィリア。
魔法を使える者がコハクしか居なかった中、神からの加護を受け、白魔法を駆使してカイを助けた聖女。
「フィリアを訪ねてほしい。そのリロイに託した私の剣に加護を授けてもらうためにね」
「え、そうなの?隣国だし、ちょっと寄り道できるんだね。わあ、どんな街かなあ?」
「カイ…」
母が不安そうな声を上げて、不安そうな表情でカイを見つめた。
カイはそんなソフィーに微笑みかけて、何でもないというように首を振る。
そしてコハクはかつての出来事を思い返しながら、にやにや笑っていた。
「ああ、あの胸のでかい女か。カイの傍にぴったりくっついて離れなかった女のことだろ?俺はお前とフィリアがくっつくもんだと思ってたぜ」
「魔王!!」
ソフィーの腕からフォークが音を立てて床に落ち、激昂したカイがコハクに向かってナイフを投げた。
「お父様!?」
「おっと」
人差し指と中指の間で左目に刺さりそうだったナイフを止めると、リロイが胸倉を掴む。
「陛下はソフィー王妃一筋でいらっしゃる!今も昔もだ!」
「そうかあ?俺から言わせれば尋常ならざる仲に見えたけどな。ま、チビは間違いなくカイとソフィーの子だけどさ」
「え?コー、だから私はコウノトリからの…」
一人空気を読めていないラスが顔を覆って身体を震わせるソフィーに駆け寄り、隣に座って母を抱きしめる。
「お母様、どうしたの…?なんで泣いてるの?」
「…いいえ、何でもないわ…」
聖女フィリア。
今もカイを愛しているフィリア。
純白の、フィリア…