魔王と王女の物語
「ねえコー…神様って居ると思う?」


ラスはコハクに腕枕をしてもらいながらそう話しかけて、闇夜に光る赤い瞳を覗き込んだ。


「どこかにあるっていう楽園に居るって話だな。フィリアは神から加護を受けて魔法を今でも使えるし居るんじゃね」


「神様が本当に居るのなら…勇者様と出会わせてほしいな…。自分で見つけなくちゃ駄目なのかな…めんどくさい…」


「ものぐさだな。それよかチビ、勇者様は俺だっつってんだろが」


白のネグリジェからちらっと見える白い胸に鼻息を荒くしながらラスの身体を持ち上げて、自分の上に乗せる。


ラスは抵抗もせずにそのままべったりコハクの上に乗ったまま喉仏を撫でながら欠伸をした。


「コーが勇者様だったら…悪い人は誰?悪い人をやっつけるから勇者様なんでしょ?」


「お前を狙ってくる奴らは全部俺がやっつけてやるよ。そしたら俺が勇者様だろ?それよかチビ…お前意外と…」


「え?」


…胸がやらわかすぎて、

それに刺激されたコハクはラスの頬を両手で包み込むと、ちょっとだけ長いキスをした。


「また口をくっつけた。どういう意味があるの?」


ちょっとは意識させてやりたい。


――ラスの金の髪を耳にかけて唇を寄せると、息を吹きかけながら愛の言葉をも一緒に吹き込む。


「お前を俺の虜にさせるためさ。俺が離れていっても俺しか考えられないようにしてやる」


ちょっとドキッとした顔をしたラスに内心ガッツポーズをしながら、

じわじわと攻めて逃げ場を無くす戦法でいくことにしたコハクは、すぐに唇を離した。


「こそばゆかった…」


「それだけかよ。ほかに感想は?」


「え?……な、ないと思う」


“嘘つけ”と言いたかったが、

ラスが上半身を起こして、まるで馬乗りになるような態勢になったので、


魔王、大コーフン。


「絶景!これで服着てなけりゃサイコーなんだけどなあ」


「もうっ、コー、端っこに行って!ここは私のベッドなんだから」


「はいはい。お姫様、勇者様の腕枕は必要ありませんか?」


「…要るもん」


腕を伸ばすと頭を預けてきたラスの頬にまたキスをした。
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