BLack†NOBLE
それもそうだな。アリシアの意見は一理ある。
屋敷を出発する時に確認しただけで、数十名の護衛が息を潜めて警備をしていた。
全長一メートル弱はありそうなライフルを持っていた護衛もいた。弾丸の飛距離は、数十メートルは余裕だろう。
夜間とはいえ、このランボルギーニごと大破させるようなスナイパーを雇っているかもしれない。
『ね? 仲直りしたほうがいいよー。瑠威が、ごめんねって言えばクロードが許してくれるよ』
止まったままの右手にアリシアの指が絡まる。腕に頭を預けてきた。