BLack†NOBLE
インターホン越しに、アリシアが何かを訴えると、建物の中から女性が一人で出てきた。
彼女がローザか? 監禁どころか、警備が手薄すぎる。
白い肌に、黒が強い茶色の長い髪を一つに結っている。顔は美人の部類に入るが、正直アリシア程ではない。
施錠を外すと、まずアリシアを抱き締めて二人は楽し気に会話をしていた。
アリシアが大きく門を開くと、俺に『車をいれて』と合図を出した。
ゆっくりとハンドルを回して、適当な場所に車を停車する。
『瑠威、トランク開けて』
アリシアの指示に従いトランクを開くと、彼女は暗めのカーキー色した大きなカバーを広げる。
俺が車を降りるとアリシアは車にそのカバーをかけた。
『盗まれたら困るでしょ?』
その行動を不振に見ていた俺に、『フックをとめて』と指示を出すアリシア。
だが正直な意見は、ここに高級車ランボルギーニが入るのを相当な人に見られている。
今更カバーを掛けても意味がないだろう。