BLack†NOBLE
「お嬢様、部屋に参りましょう」


 案内を続けようとしたコンシュルジュを静止させて、エレベーターに二人で乗り込む。


「ずいぶん、こじんまりとしたホテルね?」

「お気に召しませんか?」


 素早くエレベーターを降りると、ルームナンバーを確認して部屋に入る。



 ここは小さくても、隠れ家的な人気ホテルだ。

 これでも部屋をリザーブするのに苦労したんだ……







「うわぁ~部屋は、とても素敵なのね♪」


 エントランスや、エレベーターホールや通路が狭い。その分、客室はとても贅沢な作りになっている。それが、このホテルの特徴だ。


 無駄を省き、贅を尽す。
 ネイビーブルーの上品な室内に、大きな窓にかかる真っ白なカーテン。取り揃えられた家具は、すべて白い大理石を基調としている。

 天蓋付きのベッドは、二人で眠るには広すぎる。



 荷物を確認する。するとベッドサイドに花束が添えられていた。
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