BLack†NOBLE
────ホテル最上階のバーラウンジ。貸し切りにしてあり、他に客はいない。
最上階といっても、あまり高い建物はないこの島で唯一辺りを見渡せる高さだ。
高い天井に広い部屋。
薄気味悪い男が二人やってきた。
こそこそと背筋を曲げて、ひそひそと囁き合っている。
それを見た周りの人間が不快感を抱くように、そうしているのかもしれない。
高そうなスーツを着ていたが、品のない売女の残り香のような匂いがする。
『どうも』と短い挨拶をした。詐欺師のような胡散臭い声の男が自らを『コッグだ』と名乗り右手を差し出してきた。
それを無視してバーラウンジ中央の楕円形のテーブルの右側に座った、後ろにはカルロとレイジが立った。
テーブルの左側には、コッグと大きな声で話す事は得意でないらしい多分グレコという男が座った。
コッグは差し出したままの手を、宙に浮かせたままニヤリと嫌味な笑顔を浮かべた。
『誰が両親を殺した奴の手など掴むか……話し合いたい内容は概ね理解できてるか?』
足を組み、肘掛けつきの椅子に深く腰掛ける。
左手首で頬杖をついて、利き手はジャケットの中の銃に意識を集中させる。
残りの弾丸はちょうど二発だ。一気にいくか……