BLack†NOBLE


 コッグはニタニタと嫌な笑みを崩さない、こちらの神経を逆撫でするために笑っているのかもしれない。


 対するグレコは、静かな岩のように俺を観察しているようだ。

 
 どちらが恐いかと聞かれれば、グレコの方だ。何を考えているのか、人間の美徳というものを全て放棄しているようにも見える。



『いい話だと嬉しいな。我々は何もメルフィスと敵対したいわけじゃない、ただちょっと昔のように仲良くさせてもらえれば……互いに利益があるはずだ』


 コッグは、ヘラヘラと話し出す。身ぶりを加えたオーバージェスチャーが勘にさわる。



『安心しろ。とても簡単で、とても良い話をしてやる』


『へへ、それは有り難い』



 グレコは、歪な形をした眉をハの字に曲げた。



『この地は、お前たちを必要としていない』





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