BLack†NOBLE
『どうやってこの場所を突きとめた? それにクロード様は突然の来訪者との面会はしない。帰れ』
『はぁー!? 恋する乙女なめんじゃないわよ! これを渡すだけでいいから、クロードに会わせなさいよっ!』
ハートに固めたチョコを、真っ赤な布にくるみラッピングした。 バラを一輪添えた包みを、大男たちに見せつける。
『爆発物かもしれない……探知機を持ってこい』
『爆発なんてしないしっ! 私の愛しか入ってないわよっ! 失礼ね!』
『怪しい奴だ……レイジ様に報告しろ』
『レイジ!? 私は、レイジじゃなくてクロードに会いたいのよっ!』
鉛の筒は私のこめかみを離れると、鼻先に当てられた。 ごくり、と息を飲み込む。偽物……じゃないのは一目瞭然だ。
『それ以上、大声を出せば……その綺麗な顔にコイツを撃ち込むぞ』
『じょ……冗談じゃないわよ……』
私は、クロードに愛してもらえるなら殺されてもいいけど……クロードの屋敷の前で銃殺されるのは嫌だ。