BLack†NOBLE
なのに、クロードは冷たい目線で私を見下ろすと懐から携帯電話を取り出した。
『おまえみたいな、ロリータ趣味野郎にウケそうな女を欲しがっていた会社があるから、すぐに手配してやる』
『なっ!! ちょっと待ってよ! クロードっ違うっ!』
なんで、バレンタインチョコを渡しに来たのに、そんな怪しい会社に売り飛ばされなきゃならないのよっ!
『ロリコン野郎の相手じゃ不満か? ならもっと過激な所を紹介してやろう』
『だから、違う!』
『可愛い女は、若いうちに稼げるだけ稼いどいた方がいいぞ。仕事が欲しくて俺に会いに来たんだろ?』
『かっ……可愛い?』
うそっ!?
まさか!?
クロードが、私のことを『可愛い』って言った!
それって、私を『可愛い』て普段から想ってるから?
『ああ、そうだ。ちょうどフランスの映画監督がペットにして無茶苦茶に扱ってもいい女が欲しいって言ってたな……有名な映画監督だ。上手く行けば国際映画祭のレッドカーペット踏めるぞ』
『いやぁん、クロード
恥ずかしい……好きにして!』
可愛いって言われるなんてチョコを届けに来てよかった!
サン・バレンティーノ
THE END
アリシアのデビュー秘話。
クロードとアリシアが出会って間もない頃は、こんなやり取りがあったらしいです。