BLack†NOBLE

 クロード様の部屋を出ようとした時、靴先に異物がぶつかった。真っ赤なオーガンジーに包まれたプレゼントみたいだ。



『クロード様、プレゼントがここに落ちておりました』


 何か大切なモノだったら、大変だ。

 クロード様の大切なモノに万が一の事があれば怪我人がでるかもしれないからだ。


 直属の部下である俺は、いつだって神経を研ぎ澄まして仕えている。




『ああ……それか、レイジにやる』


『はっ?』


『普段世話になってる礼だ。それから、カルロを呼んで来い』



『かしこまりました!!』



 俺は、目頭が熱くなった。

 こんなにも美しく賢いボスを持てて光栄な事なのに、ボスからの贈り物をもらえるなんて、この上ない幸せだ。



 俺は、大切に贈り物を懐にしまい。屋敷にいる伝達係りに事の経緯を伝えた。


『用件は伝えるな、ただボスが命じている』

 美しく賢いボスの集めたファミリーは、仕事のできる奴が多い。俺は、彼らを信頼しているし大切に思っている。



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