BLack†NOBLE


 男の顔がぐらりと揺れて、瑠威の唇を奪った。

 年齢的には、瑠威や蔵人よりもやや年上のイタリア人。見るに労をようしない程度の顔をしていたが相手は男だ。


 瑠威は息を止めて、その凌辱に耐えた。


『汚い……』



 牢屋の番人たちは、そんな二人を面白そうにニヤニヤと不気味な笑いをしながら見ていた。



『可愛がってやると言っただろ? 俺は美しい者なら女だろうと、男だろうと抱けるらしい』


 ガシャーンガシャーンと手錠が鉄の牢とぶつかり合う音が響く。


 瑠威が本気で抵抗を始めたからだ。


 手錠が食い込む皮膚から、血が滲む。



『これ以上、俺に触ればオマエの企業は二度と立ち直れなくなるぞ?』


『いいさ、そしたらクロード・メルフィスの弟が凌辱される画像を売って一儲けしてやる。その為の人質なのだからな』

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