とけないゆき
腕を組み明らかに不機嫌そうにしている私に、こいつは笑った。



「お前、俺と同じ名前なんだから仲良くしようや。」




・・・・・・は?

思考回路が停止した。


私がこいつと同じ名前?


そういえば、


名前を知らなかった。


「うそだよね?」



するとまた、クスッと笑った。


その顔がやけにかっこよく見えた。


くしゃっと笑う横顔。


かすかに八重歯も見えた。



こいつ、かっこいいなって思ってしまった。


「ほんとだよ。俺、高野友樹。ユキだよ。」



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