主さまの気まぐれ-百鬼夜行の王-【完】
「願いとはなんだ?私にできないことはない。言ってみなさい」
帝が何を求めているかは十二分にわかっていた。
息吹は真っ直ぐ帝の瞳を見据えてぎゅっと手を握って、帝を恥らわせた。
「父様の母様をお返し下さい。宝庫で埃を被っているのを見ました。それ位なら父様に…」
「返しても良いが…そなたは私に何を与える?こちらに来なさい」
――本当は絶対に触られたくないのに、膝の上に乗せられて息をやや荒くしている帝は息吹の頬を指でくすぐり、囁いた。
「今宵は何もせぬ、と言ったが…私と愛の契りを交わすならば返してやろう。どうだ?」
「…はい。先に母様を父様にお返し下さい。それを見届けてからなら…」
「わかった。すぐに用意させよう」
とにかく息吹を完全に自分のものにしたい帝は早急に近衛兵を呼び寄せた。
そして宝庫から『葛の葉狐』を晴明を封じている部屋に運び込むように言うと息吹を見つめて帯に手をかけた。
「これでよかろう?さあ、息吹姫…」
「…こんな汚れたままではいやです。どうか湯に入らせて下さい。私は…殿方と夜を共にするのは…はじめてなのです…」
――恥らうように俯いた息吹にさらに期待を増した帝はぎゅっと1度抱きしめると息吹を離すと続き部屋の襖を開けて、その中に敷かれている1組の床を息吹に見せた。
「夜が更けたら…わかっているね?」
「…はい。私も父様の母様とお会いしたいので戻るのは少し遅れます。よろしいですか?」
「ああいいよ。これからはずっと一緒だからね」
…悪寒に鳥肌が立つ。
ちっとも嬉しくなくて、今度は内侍に先導されながら湯殿に向かい、大勢の女房に囲まれた。
「え…、あの…」
「あなた様は中宮におなりになるお方。わたくしたちが湯殿のお世話をいたします」
彼女たちは元々は女御たちの世話役。
本来ならば女御たちの中から中宮が立后するため、いきなり現れた息吹の存在には皆良い思いはしていない。
「よろしく、お願いします…」
返事はない。
そう、これからはこんな状況にも耐えていかなければ。
きっと大丈夫。
きっと…
帝が何を求めているかは十二分にわかっていた。
息吹は真っ直ぐ帝の瞳を見据えてぎゅっと手を握って、帝を恥らわせた。
「父様の母様をお返し下さい。宝庫で埃を被っているのを見ました。それ位なら父様に…」
「返しても良いが…そなたは私に何を与える?こちらに来なさい」
――本当は絶対に触られたくないのに、膝の上に乗せられて息をやや荒くしている帝は息吹の頬を指でくすぐり、囁いた。
「今宵は何もせぬ、と言ったが…私と愛の契りを交わすならば返してやろう。どうだ?」
「…はい。先に母様を父様にお返し下さい。それを見届けてからなら…」
「わかった。すぐに用意させよう」
とにかく息吹を完全に自分のものにしたい帝は早急に近衛兵を呼び寄せた。
そして宝庫から『葛の葉狐』を晴明を封じている部屋に運び込むように言うと息吹を見つめて帯に手をかけた。
「これでよかろう?さあ、息吹姫…」
「…こんな汚れたままではいやです。どうか湯に入らせて下さい。私は…殿方と夜を共にするのは…はじめてなのです…」
――恥らうように俯いた息吹にさらに期待を増した帝はぎゅっと1度抱きしめると息吹を離すと続き部屋の襖を開けて、その中に敷かれている1組の床を息吹に見せた。
「夜が更けたら…わかっているね?」
「…はい。私も父様の母様とお会いしたいので戻るのは少し遅れます。よろしいですか?」
「ああいいよ。これからはずっと一緒だからね」
…悪寒に鳥肌が立つ。
ちっとも嬉しくなくて、今度は内侍に先導されながら湯殿に向かい、大勢の女房に囲まれた。
「え…、あの…」
「あなた様は中宮におなりになるお方。わたくしたちが湯殿のお世話をいたします」
彼女たちは元々は女御たちの世話役。
本来ならば女御たちの中から中宮が立后するため、いきなり現れた息吹の存在には皆良い思いはしていない。
「よろしく、お願いします…」
返事はない。
そう、これからはこんな状況にも耐えていかなければ。
きっと大丈夫。
きっと…