主さまの気まぐれ-百鬼夜行の王-【完】
腹を出し、息吹から撫でまくられてごろごろと喉を鳴らしていた猫又がぴくりと顔を上げた。
「猫ちゃん?」
「山姫にゃ」
その通りに山姫が団扇を手に現れ、息吹の顔がみるみるにやけた。
「あんたにしろ晴明にしろ、あたしを見て笑うのはやめてほしいねえ」
「だって……なんでもありませんっ」
そして膝を折ると息吹と同じように中腰になって一緒に猫又の腹を撫でながら、切り出した。
「あんた…人じゃないんだってねえ」
「うん…。でもほとんど人だよ。主さまたちみたいな力は持ってないし…」
「そうかい。で…主さまは華月っていう奴の血の者だろ?鵜目姫の宿敵じゃないか。あんたはそれでも主さまが好きかい?」
顔にぼっと火が燈り、猫又の肉球をぷにぷに触りながらぶんぶんと首を振った。
「べ、別に主さまのことなんか…」
「主さまも同じ反応だったねえ。あんたらは似た者同士なんだね」
猫又の耳がぴくぴく動き、聞き耳を立てられていたので大きな身体を抱き起すとお尻を軽く叩いてその場から去らせた。
「私…主さまの食べ物でしょ?だから私が告白しても迷惑かなって思ったりしてるの。母様はどう思う?」
…まさかの息吹からの“告白宣言”に山姫が瞳を丸くすると、主さまとお揃いの髪紐を揺らしながら立ち上がり、背を向けた。
「そうだねえ…主さまに告白したとして、主さまが受け入れたらどうするんだい?」
「えっ?」
その先のことは考えていなかったらしく、振り返った息吹の瞳が同じように丸くなっていたので山姫は爆笑しながら息吹と手を繋いで歩き出した。
「主さまのお嫁さんになれるかもしれないよ?」
「!で、でも…期待しませんっ。どうせ嫌な顔されるだけだろうし」
「そうかねえ」
2人で庭を散策していると、縁側で待ち構えていた雪男が強い日差しを避けるために番傘を差しながら歩み寄ってきた。
「花に水遣りするだろ?俺も手伝う」
「ふうん」
「笑うな!」
山姫がにやにやしたので、傘で顔を隠しながら息吹の袖を引いた。
「猫ちゃん?」
「山姫にゃ」
その通りに山姫が団扇を手に現れ、息吹の顔がみるみるにやけた。
「あんたにしろ晴明にしろ、あたしを見て笑うのはやめてほしいねえ」
「だって……なんでもありませんっ」
そして膝を折ると息吹と同じように中腰になって一緒に猫又の腹を撫でながら、切り出した。
「あんた…人じゃないんだってねえ」
「うん…。でもほとんど人だよ。主さまたちみたいな力は持ってないし…」
「そうかい。で…主さまは華月っていう奴の血の者だろ?鵜目姫の宿敵じゃないか。あんたはそれでも主さまが好きかい?」
顔にぼっと火が燈り、猫又の肉球をぷにぷに触りながらぶんぶんと首を振った。
「べ、別に主さまのことなんか…」
「主さまも同じ反応だったねえ。あんたらは似た者同士なんだね」
猫又の耳がぴくぴく動き、聞き耳を立てられていたので大きな身体を抱き起すとお尻を軽く叩いてその場から去らせた。
「私…主さまの食べ物でしょ?だから私が告白しても迷惑かなって思ったりしてるの。母様はどう思う?」
…まさかの息吹からの“告白宣言”に山姫が瞳を丸くすると、主さまとお揃いの髪紐を揺らしながら立ち上がり、背を向けた。
「そうだねえ…主さまに告白したとして、主さまが受け入れたらどうするんだい?」
「えっ?」
その先のことは考えていなかったらしく、振り返った息吹の瞳が同じように丸くなっていたので山姫は爆笑しながら息吹と手を繋いで歩き出した。
「主さまのお嫁さんになれるかもしれないよ?」
「!で、でも…期待しませんっ。どうせ嫌な顔されるだけだろうし」
「そうかねえ」
2人で庭を散策していると、縁側で待ち構えていた雪男が強い日差しを避けるために番傘を差しながら歩み寄ってきた。
「花に水遣りするだろ?俺も手伝う」
「ふうん」
「笑うな!」
山姫がにやにやしたので、傘で顔を隠しながら息吹の袖を引いた。