主さまの気まぐれ-百鬼夜行の王-【完】
気分を落ち着けて広間へ戻った時…
何故か主さまと晴明が妙な言い合いをしていた。
「赤子の息吹の襁褓(むつき)を替えたのは俺なんだ。息吹のことなら俺の方がお前よりよく知っている」
「ほほう?では息吹のあの部分に黒子があるのは知っていたか?」
「!あ、あ、あの部分だと!?晴明、お前まさか息吹に妙なことを…!」
「あの部分と言ったらあの部分だ。そなたとは知己の仲だとは思っていたが通じなかったか。ああ残念でたまらぬ」
「ちょっと待て、それがど、どの部分だか教えろ!」
「己の目で確かめてみるがいい」
「…できないからお前に聴いてるんだろうが!」
…自分の居ないところで巻き起こっている自慢合戦に堪忍袋の緒が切れた息吹は、右脚を振り上げてどすんと音を立てて畳を踏むと、主さまを凍りつかせた。
「い、息吹…いつからそこに…」
「変な話しないで!父様もへ、変なこと主さまに教えないで!」
「いやなに、だが真実だろう?そなたの……に黒子が…」
隣に座った息吹に晴明がごにょごにょと耳元で囁きかけると息吹の顔が一気に赤くなり、雪男と主さまの顔も一気に赤くなった。
「確かに…そこにあるけど…どうして父様はそこに黒子があるのを知ってたの!?」
「そなたが我が屋敷へ来てそれなりに成長するまでは一緒に風呂に入っていたではないか。父様には全てお見通しなのだよ」
かっかっしている息吹に優雅に扇子を開いて風を送ってやっている晴明はにっこり笑顔。
主さまと雪男は脳内で様々な妄想が駆け巡り、特に雪男にはその症状が顕著で、よろりと立ち上がるとふらつきながら地下の自室へと脚を向けた。
「お、俺…限界…」
「まあ、氷雨ったら…。頭も身体も冷やしてらっしゃい」
「十六夜、そなたも頭で湯が沸かせそうになっているぞ」
「…うるさい!」
「もおっ、やだやだ!その話はもう終わり!母様も雪女さんも笑ってないで止めてください!」
「主さまも晴明もあんた自慢をしたいだけだよ。好きにさせてやりな」
山姫がからから笑い、雪女が息吹に向き直り、口を開いた。
何故か主さまと晴明が妙な言い合いをしていた。
「赤子の息吹の襁褓(むつき)を替えたのは俺なんだ。息吹のことなら俺の方がお前よりよく知っている」
「ほほう?では息吹のあの部分に黒子があるのは知っていたか?」
「!あ、あ、あの部分だと!?晴明、お前まさか息吹に妙なことを…!」
「あの部分と言ったらあの部分だ。そなたとは知己の仲だとは思っていたが通じなかったか。ああ残念でたまらぬ」
「ちょっと待て、それがど、どの部分だか教えろ!」
「己の目で確かめてみるがいい」
「…できないからお前に聴いてるんだろうが!」
…自分の居ないところで巻き起こっている自慢合戦に堪忍袋の緒が切れた息吹は、右脚を振り上げてどすんと音を立てて畳を踏むと、主さまを凍りつかせた。
「い、息吹…いつからそこに…」
「変な話しないで!父様もへ、変なこと主さまに教えないで!」
「いやなに、だが真実だろう?そなたの……に黒子が…」
隣に座った息吹に晴明がごにょごにょと耳元で囁きかけると息吹の顔が一気に赤くなり、雪男と主さまの顔も一気に赤くなった。
「確かに…そこにあるけど…どうして父様はそこに黒子があるのを知ってたの!?」
「そなたが我が屋敷へ来てそれなりに成長するまでは一緒に風呂に入っていたではないか。父様には全てお見通しなのだよ」
かっかっしている息吹に優雅に扇子を開いて風を送ってやっている晴明はにっこり笑顔。
主さまと雪男は脳内で様々な妄想が駆け巡り、特に雪男にはその症状が顕著で、よろりと立ち上がるとふらつきながら地下の自室へと脚を向けた。
「お、俺…限界…」
「まあ、氷雨ったら…。頭も身体も冷やしてらっしゃい」
「十六夜、そなたも頭で湯が沸かせそうになっているぞ」
「…うるさい!」
「もおっ、やだやだ!その話はもう終わり!母様も雪女さんも笑ってないで止めてください!」
「主さまも晴明もあんた自慢をしたいだけだよ。好きにさせてやりな」
山姫がからから笑い、雪女が息吹に向き直り、口を開いた。