Princess of Magic
庇「さすがね。呑み込みが早い…というよりは元から知ってた?ってくらい…」

 『私も驚いてます…。こんなにあっさりできるものなんですか?』


庇保は苦笑いで答えた。

庇「基礎は難しいはずなのだけれど…コントロールもしっかりできてるし…少し休憩して街に行きましょうか?」


 とても…簡単な気がするけど…言わないほうがいいよね。
 『はい。それでは、着替えてきます。』

庇「えぇ。せっかくだからそうした方がいいわね。じゃあ、またあとで」



庇保は柔らかい笑みを浮かべキッチンの方へといき、妃芽は部屋へと戻った。



―――10分後―――

出かける用意をした二人が家の中にいた。

 『庇保さん?出かけないんですか?』
庇「いいえ。じゃあ行きましょうか?妃芽ちゃんの魔法で。」

 『え?私の・・ですか?でも、危険じゃ…』
 確かに移動の魔法は教えてもらったけど…まだまだ初めての私じゃ危なすぎる・・・


庇「信じなければ何も起こらないわ。移動のときに街を思い浮かべて、移動をすると行けるから。」


 『・・・はい。もしものときは、庇保さんは自分で避難してください。』

庇「もしもなんてないから大丈夫よ」


妃芽は目を閉じてただ『街へ』と心の中で発した。


瞬きをする間にそこは無人の空間となった。



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